特集 AKI
6.AKI各論
【コラム】メタ解析にみる造影剤腎症の予防
内野 滋彦
1
Shigehiko UCHINO
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科 集中治療部
pp.551-552
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100252
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血管造影やCTなど,造影剤が使用される頻度は高く,それによる腎症の発生も多く報告されている。例えばNashらは,院内で発生したAKIのうち11%が造影剤腎症contrast-induced nephropathy(CIN)によるもので,その死亡率は14%であったと報告1)している。sepsisや外傷などと異なり,CINは腎臓に対する傷害が予測可能であることから,それを予防する研究が盛んに行われている。例えば,MEDLINEにてCINについての無作為化比較試験randomized controlled trial(RCT)を検索すると194件もヒットする(表1)(2009年6月現在)。より詳細な検索を行えば,その数はもっと多くなると思われる。CINの予防についての関心の高さは発表されているメタ解析の数にも現れており,同様の検索を行うと33件も見つけることができる。一つの疾患の予防に対して,これほどの数のメタ解析が行われているというのは比較的まれなことであると思われる。本コラムでは,これらのメタ解析を概観し,CINの予防についての現在の知見を簡単にまとめてみたい。
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