特集 既存のガイドラインを透析患者にどう活用するか
15.造影剤腎症
猪阪 善隆
1
1大阪大学大学院腎臓内科学
キーワード:
造影剤腎症
,
急性腎障害
,
腎代替療法
Keyword:
造影剤腎症
,
急性腎障害
,
腎代替療法
pp.1101-1106
発行日 2019年7月10日
Published Date 2019/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000996
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腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドラインでは,造影剤腎症(CIN)の診断基準として,従来の「72 時間以内に血清クレアチニン値が前値より0.5 mg/dL 以上または25 %増加」を基本的に踏襲している.腎機能の廃絶した透析患者においてはCIN という病態は当たらないが,腹膜透析患者への造影剤投与は残存腎機能低下のリスクとなる可能性がある.また,CIN の発症予防を目的とした造影剤投与後の血液浄化療法はCIN 発症のリスクを減少させず,血液浄化療法は推奨できない.とくに血液透析は施行しないことが推奨される.CIN により致死的な体液量,電解質,酸塩基平衡異常が生じた場合は速やかに腎代替療法を開始すべきである.
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