特集 AKI
6.AKI各論
(1)急性腎傷害(AKI)の保存的診療―造影剤腎症
笠原 正登
1,2
,
植田 浩司
2
,
向山 政志
1
Masato KASAHARA
1,2
,
Koji UEDA
2
,
Masashi MUKOYAMA
1
1京都大学大学院医学研究科 内分泌・代謝内科
2先端医療センター 腎臓・血液浄化領域グループ
pp.543-550
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100251
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腎臓は体内の薬物が代謝濃縮を受けるために種々の薬物の標的となる。そのなかで最も多いものが抗菌薬,次いで非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs),抗腫瘍剤がならび,この3種類の薬物だけで全薬剤性腎障害の70%近くにのぼる。造影剤に至ってはわずか数%にすぎないにもかかわらずこれだけ大きな話題になるのは,造影剤による腎障害(造影剤腎症)は院内で発症する急性腎不全の最も多い原因の1つとされ,在院日数の延長や院内死亡率,長期予後の悪化をもたらすことがその理由であろう。虚血性心疾患における心血管造影など,造影剤を使用する頻度が増加するに伴い,造影剤腎症はさらに重要な問題となりうる。本稿では造影剤腎症の発症機序や対処法などについて紹介する。
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