急性腎障害(AKI)-概念の確認から、さらなる予後改善を目指して
《AKIの病態》造影剤腎症
伊藤 孝史
1
1島根大学医学部附属病院 腎臓内科
キーワード:
Gadolinium
,
危険因子
,
血液透析
,
腎臓疾患
,
造影剤
,
輸液療法
Keyword:
Contrast Media
,
Gadolinium
,
Renal Dialysis
,
Kidney Diseases
,
Risk Factors
pp.365-368
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012335870
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●ヨード造影剤投与後72時間以内に、血清Crが前値よりも0.5mg/dl以上または25%以上増加した場合を、造影剤腎症(CIN)と定義する。●CIN発症のリスクが高い慢性腎臓病(CKD)患者では、生理食塩水などの等張性輸液製剤を造影検査の前後に経静脈的に投与することを推奨する。一般的には、生理食塩水を1ml/kg/hrで6~12時間前から点滴し、検査終了後も同量で6~12時間程度継続することが望ましい。●重炭酸Na液の輸液は、生理食塩水と比較して、CIN発症のリスクを低下させることが報告されており、使用を推奨する。●血液透析はCINの発症リスクを軽減するというエビデンスがないため、造影剤投与後の血液透析は推奨しない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012