増大号 AKI・CKDの診断・治療に臨床検査を活かせ
4章 腎疾患を知る—臨床検査ができること
腎疾患の話題
“造影剤腎症”,まだ気になりますか?
徳竹 雅之
1
1健生病院救急集中治療部ER
キーワード:
造影剤腎症
,
造影剤因性急性腎障害
,
CA-AKI
,
造影剤誘発急性腎障害
,
CI-AKI
Keyword:
造影剤腎症
,
造影剤因性急性腎障害
,
CA-AKI
,
造影剤誘発急性腎障害
,
CI-AKI
pp.546-549
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203604
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はじめに
“腎機能が悪い場合には造影CTは禁忌である”,これは臨床の現場であたかも“常識”のように語られている.しかし,実際のところこの考え方は前時代的であり,いわゆる“造影剤腎症”にかかわる迷信に対して,正しい見識が広まる必要性を感じさせられる.
結論だけ言うと,ヨード系造影剤を使用するか否かは,臨床診断を導くために造影剤が必要か否かの軸で語るべきであり,腎機能に依存するものではない.そこで,本稿において根拠に基づいて分析し,“常識”を考え直したい.なお,本稿では主に造影剤を静脈内投与する場合について論述する.
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