急性腎不全 AKIシラバス
造影剤によるAKIについてのトピック 造影剤腎症の発症要因・疫学
大竹 剛靖
1
,
小林 修三
1湘南鎌倉総合病院 透析
キーワード:
Creatinine
,
危険因子
,
急性腎障害
,
造影剤
Keyword:
Contrast Media
,
Creatinine
,
Risk Factors
,
Acute Kidney Injury
pp.99-102
発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008258135
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造影剤を使用する検査は、年々増加している。造影剤腎症は、造影剤投与後数日以内に発症し、血清クレアチニン値0.5mg/dlあるいは1mg/dl以上の上昇と定義される場合が多い。造影剤腎症は院内発症急性腎不全の原因の第3位であり、造影剤腎症発症患者では院内死亡率、遠隔死亡率とも非常に高い。リスクファクターとしてもっとも重要なのは既存の腎機能障害で、そのほか糖尿病、高齢などを複合して有する患者でとくに造影剤腎症の発症リスクが高い。現在日本で使用される造影剤は、ほとんどすべてが非イオン性低浸透圧性造影剤である。発症機序としては、遷延性血管収縮による糸球体濾過値(GFR)低下、腎髄質虚血と尿細管上皮細胞への直接毒性が重要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008