特集 急性膵炎
【コラム】重症急性膵炎に対する膵局所動注療法の実際―適応とタイミング
武田 和憲
1
Kazunori TAKEDA
1
1国立病院機構 仙台医療センター 外科
pp.670-677
発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100096
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「動注療法に関するpro/con:pro:膵局所動注療法は疼痛を改善し,予後も改善し得る」で述べたように,重症膵炎における膵局所動注療法は,発症早期の直接的な治療として極めて有効であり,膵実質の薬物濃度が飛躍的に高まることから,疼痛の早期消失,炎症の早期鎮静化,膵壊死の予防,膵感染の防止,手術頻度の低下,死亡率の低下が期待できる。特に,2010年にポーランドから報告された無作為化比較試験(RCT)1)の結果は,動注療法の意義を示すエビデンスとして高い評価が得られている。
一方,我が国のガイドライン2)においては推奨度C1であるものの,多くの高次医療施設が動注療法を導入しており,さまざまなエビデンスとさまざまな工夫が報告されている。
本稿では,臨床の現場で導入できるように,適応,動注カテーテルの留置部位,投与薬物の選択などについて,その実際を述べたい。
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