Japanese
English
特集 肝胆膵のIntervention―エキスパートからのメッセージ
経動脈的アプローチ―重症急性膵炎に対する膵局所動注療法
Continuous regional arterial infusion of protease inhibitor and antibiotic for severe acute pancreatitis
武田 和憲
1
,
辻 喜久
2
,
渡邉 祐司
3
,
中野 寛
3
,
有本 麻耶
3
,
菊池 理
4
Kazunori TAKEDA
1
,
Yoshihisa TSUJI
2
,
Yuji WATANABE
3
,
Hiroshi NAKANO
3
,
Maya ARIMOTO
3
,
Osamu KIKUCHI
4
1国立病院機構仙台医療センター 外科
2京都大学 消化器内科
3倉敷中央病院 放射線科
4倉敷中央病院 消化器内科
1Department of Surgery,Sendai Medical Center,Sendai
2Department of Internal Medicine,Kyoto University School of Medicine,Kyoto
3Department of Radiology,Kurashiki Central Hospital,Kurashiki
4Department of Internal Medicine,Kurashiki Central Hospital,Kurashiki
キーワード:
重症急性膵炎
,
膵局所動注療法
,
造影CT
,
膵虚血
,
膵壊死
Keyword:
重症急性膵炎
,
膵局所動注療法
,
造影CT
,
膵虚血
,
膵壊死
pp.167-174
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100135
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要旨
重症急性膵炎に対する膵局所動注療法はガイドラインでも推奨されている膵局所に対する治療であるが,その具体的な実施方法についてはさまざまな見解がある.基本的には造影CTにより膵の造影不良域(膵虚血域)を検出し,その部位を灌流する動脈を選び,カテーテルを留置して蛋白分解酵素阻害薬・抗菌薬を投与するが,部位によりカテーテルの径や形状,サイドホールの有無,1ルートか2ルートかなどの選択が行われる.特に重症例ではnon-occlusive mesenteric ischemiaなどの腸管虚血を合併することもあるため,腹腔動脈のみではなく,上腸間膜動脈の血管造影も必要である.動注療法は発症から72時間以内に治療が開始されることが重要であり,壊死に移行する前の段階(膵虚血)での施行が望ましい.膵局所動注療法で激しい疼痛の早期消失をはかり,膵壊死への移行を阻止,または最小化することで感染性膵壊死の合併を減らし,早期手術を回避するのが本治療の目的である.
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