特集 モニター
【コラム】mmHgからhPasへ
橋本 悟
1
Satoru HASHIMOTO
1
1京都府立医科大学 麻酔科・集中治療部
pp.282-283
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100043
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■平成25年をもってmmHg,cmH2Oは使用まかりならぬ
皆さん,国際単位系The International System of Units(SI単位)はご存知ですね。SI単位は,秒(時間),メートル(長さ),キログラム(重さ),アンペア(電流),モル(物質量),カンデラ(光度),ケルビン(温度)の7つの基本単位と,これらを組み合わせて構成されるSI組立単位から成り立っています。SI組立単位には固有の名称と記号で表現されるものが20以上存在します。例えば周波数のヘルツ(1s-1),電圧のボルト(1m2・kg・s-3・A-1),そして圧力に関してはパスカル(1m-1・kg・s-2)などが挙げられます。多くの学術論文では,国際ルールとしてしばしばSI単位への修正を要求されます。
ところで,医療の現場でよく使われる単位である,mmHgやcmH2OはSI単位には属しません。しかしながら,医療現場の混乱を避けるため,血圧,血液ガス,人工呼吸器の設定などの単位として,これらは暫定的使用が認められています。学術論文では血圧などに対してkPas(キロパスカル)という表記が時々みられますが,実際の臨床でこの単位にお目にかかることはまずありません。
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