特集 モニター
【コラム】収縮期血圧と平均血圧“血圧90”って何?
内野 滋彦
1
Shigehiko UCHINO
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科 集中治療部
pp.280-281
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100042
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まず,問題です。血圧(BP)に関するありがちな会話:
動脈圧ラインでBP 90/45(58)mmHgの患者を診て,
「あれ,血圧90しかないの? 低いね。ちょっと実測してみて」
自動血圧計で測定すると,102/50(59)mmHg。
「なんだ,100あるじゃん。じゃあ大丈夫だね」
さて,このなかに間違いはいくつあるでしょう?
…
この問題の答えの1つは,自動血圧計non-invasive blood pressure(NIBP)を“実測”と呼んでいる点である。この言葉,日本中で使われているかどうかは知らないが,少なくとも関東地方ではよく耳にする。“実際に測定”しているのは動脈圧ラインだと思うのだが,いったい誰が実測という言葉を使い始めたのだろうか?
のっけから脱線してしまって申し訳ない。本コラムの主題はNIBPについてではなく,血圧の考え方についてである。ちなみに,この問題の答えは“実測”を含め4つある。まだわからない方は以下を読んでほしい。
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