呼と循ゼミナール
動脈血の正常値はなぜpH7.4, Pco2 40mmHgか?
岡田 和夫
1
1帝京大学麻酔科
pp.812
発行日 1977年9月15日
Published Date 1977/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203102
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酸塩基の調節に関する論文は,動脈血 pH7.4, Pco2,40mmHgが正常であり,病的状態に陥った場合,生体が如何にしてその正常値を維持しようとするかの解釈が試みられ,またこれを治療する場合でもこの正常値への回復を当然の如く目指している。これらはpH7.4, Pco2 40mmHgの時に細胞内環境がうまく至適状態に維持されるとの前提があるからである。
Burns Amberson lectureで1975年にRahn1)はこの問題を内から外に向けてとらえる考え方を示した。まず細胞内環境が決まり,ここでの最も至適な〔H+〕がいくらかが問題であるとした。これを維持すべく呼吸と循環の調節作用により外部環境である血液pHが決まってくるのだとした。
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