徹底分析シリーズ ECPR—麻酔科医も積極的にかかわっていこう!
PCASとしての中枢神経系障害—ECPRと二次性脳障害
関根 秀介
1
,
唐仁原 慧
1
,
内野 博之
1
Shiyuusuke SEKINE
1
,
Kei TOUJINBARA
1
,
Hiroyuki UCHINO
1
1東京医科大学 麻酔科学分野
pp.1198-1204
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101203124
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体外循環式心肺蘇生extracorporeal cardiopulmonary resuscitation(ECPR)が成功し自己心拍再開return of spontaneous circulation(ROSC)が得られたとしても,従命に意味のある反応がなければV-A ECMOを用いた体温管理療法targeted temperature management(TTM)を施行する。ROSCしたとしても再灌流障害や低酸素性-虚血性脳障害hypoxic-ischemic brain injury(HIBI)による二次性脳障害は進行し,TTMが現在推奨される唯一の治療法であるからである。V-A ECMOによりTTMは施行可能であるが,V-A ECMOの合併症にもHIBIがある。心肺蘇生(CPR)中からHIBIは始まっていると認識し,ECPRに成功しROSCするも,従命が得られない場合やV-A ECMOを離脱できない場合は,神経モニタリングを継続しHIBIの進行を軽減することが,心停止後症候群post cardiac arrest syndrome(PCAS)に対する神経集中治療の質向上と患者予後の改善につながる。
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