特集 どうする? PCAS
⓫ 基礎研究によって進化するPCAS診療—心停止後脳障害に対する新規治療戦略
錦見 満暁
1
Mitsuaki NISHIKIMI
1
1広島大学大学院 救急集中治療医学
キーワード:
心停止後脳障害
,
代謝
,
ミトコンドリア機能不全
,
フリーラジカル産生
,
リン脂質
Keyword:
心停止後脳障害
,
代謝
,
ミトコンドリア機能不全
,
フリーラジカル産生
,
リン脂質
pp.641-645
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102201230
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はじめに
現状,心停止蘇生後患者の神経学的予後を改善させるためにエビデンスが確立しているのは,高体温を防止するという体温管理療法のみである。心停止後脳障害は,心停止による突然の血流の遮断がトリガーとなって引き起こされる。血液には酸素以外にもさまざまな重要代謝物が含まれており,低酸素による脳障害(低酸素脳症)のメカニズム以外にも,脳障害を増悪させ得るさまざなメカニズムが存在する。
本稿では,基礎研究の分野における心停止後脳障害に対する介入のなかから,興味深いいくつかの最新トピックを取り上げ,基礎研究の現状と今後の方向性を紹介する。最新トピックであるため,まだ理論が確立していない部分もあり,今後の研究結果次第で仮説が変わり得ることをご了承願いたい。また心停止蘇生後患者の病態生理に関しては,他稿*1を参考にしていただきたい
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