徹底分析シリーズ 麻酔における臓器障害への対策 ②—研究から学ぶ臓器保護
麻酔における脳神経保護—二次性脳損傷から脳を守る
関根 秀介
1
,
内野 博之
1
Syusuke SEKINE
1
,
Hiroyuki UCHINO
1
1東京医科大学 麻酔科学分野
pp.752-759
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202307
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脳の障害は一次性primary脳損傷と二次性secondary脳損傷からなる。一次性損傷は脳がダメージを受ける原因である頭部外傷,くも膜下出血,代謝性脳症,熱中症,急性中毒,心停止後症候群などによる。損傷を受けた脳ではさまざまな原因により二次性脳損傷が進行する。一次性脳損傷の原因にかかわらず脳に損傷が加わると,障害を増悪させるカスケードが惹起され,結果としてもたらされる生化学的変化は神経細胞死を伴う組織障害を引き起こす。二次性脳損傷を助長する原因を継続的に排除することにより二次性脳損傷の進行を最小限にとどめ,不可逆的障害を回避することが麻酔科医に求められる脳保護である(表1)1)。
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