特集 ショックのPatient Journey
❻ ECPR後の集中治療管理—二次性脳損傷を最小化するためのde-resuscitation
森山 太揮
1
,
井上 明彦
1
Taiki MORIYAMA
1
,
Akihiko INOUE
1
1兵庫県災害医療センター 救急部
キーワード:
体外式膜型人工肺
,
ECMO
,
mixing zone
,
抗菌薬療法
,
体温管理療法
,
TTM
,
脳蘇生の評価
,
カニューレ抜去
Keyword:
体外式膜型人工肺
,
ECMO
,
mixing zone
,
抗菌薬療法
,
体温管理療法
,
TTM
,
脳蘇生の評価
,
カニューレ抜去
pp.205-215
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102201170
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
心停止患者に対して体外式膜型人工肺 extracorporeal cardiopulmonary membrane oxygenation(ECMO)を導入した蘇生は体外循環式心肺蘇生法 extracorporeal cardiopulmonary resuscitation(ECPR)と呼ばれ,日本では積極的に行われている。二次救命処置advanced cardiovascular life support(ACLS)を行っても心拍再開が困難な症例に対して,可及的早期に脳をはじめ,全身の灌流を保ったうえで,原因検索としての心臓カテーテル検査や超音波,X線,CTなどの画像検査を行い,心筋梗塞などの可逆的な背景疾患を治療する。それにより,ACLSでは救命が困難な心停止症例の生存率,神経学的予後の改善を目的とする。
限定的に難治性かつ可逆性の心停止への有効性が示されているが,そのエビデンスは不足しており,実際の運用については国・地域や施設によってばらつきがあるのが実情である。カニュレーションの手技ができるだけでは不十分であり,ECPR後のICU管理が重要となる。兵庫県災害医療センター(以下,当センター)のプロトコルを足がかりに,ECPR後のICU管理のEvidenceとExperienceを共有する。
Copyright © 2024, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.