特集 PCAS
Part 1 PCASの病態
1.PCASにおける虚血再灌流障害のメカニズム—基礎から臨床へ
相引 眞幸
1
Mayuki AIBIKI
1
1愛媛大学大学院医学系研究科 救急医学分野
pp.565-575
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200092
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心停止後症候群post cardiac arrest syndrome(PCAS)における虚血再灌流障害について,その病態生理を解説する。現在までに明らかになっている事項を整理しつつ,中枢神経系および全身の障害をいかに低減するのかについても考察した。
Summary
●PCASの病態生理の主体は,全身の虚血再灌流障害に起因する機序であり,①脳損傷,②心筋障害,③全身性虚血再灌流反応,④心停止に至った原病で構成される。
●虚血後脳神経細胞死における,分子細胞レベルの重要な機序は,①Ca2+代謝の変化,②フリーラジカル産生,③ミトコンドリア不全,④タンパク分解酵素の活性化,⑤遺伝子発現の変調,そして⑥炎症反応である。
●低体温療法はどのような症例に有効か,どのタイミングが至適なのかといった点は,これからの研究課題である。
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