連載
THE Editorials
pp.512-513
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202925
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The New England Journal of Medicine
Editorial:
Kim AS. Extending dual antiplatelet therapy for TIA or stroke. N Engl J Med 2023;389:2478-9.
Article:
Gao Y, Chen W, Pan Y, et al. Dual antiplatelet treatment up to 72 hours after ischemic stroke. N Engl J Med 2023;389:2413-24.
■虚血性脳卒中の急性期治療
虚血性脳卒中は,動脈硬化によって生じた血栓や,心房細動などにより心臓内にできた血栓が飛ぶことによって起こる。脳梗塞に至らず,一過性脳虚血発作(TIA)で済むこともある。
虚血性脳卒中の急性期治療として,組織プラスミノゲン・アクチベータ(t-PA)による血栓溶解療法や,脳血管インターベンションによる機械的血栓回収療法などのほか,アスピリンやクロピドグレル,シロスタゾールなどの抗血小板薬投与などが行われる。t-PA静注療法は,虚血性脳卒中発症から4.5時間以内に行うことが推奨されている。軽症脳梗塞におけるt-PAについては議論が分かれている。日本の『脳卒中治療ガイドライン2021』では,内頸動脈,中大脳動脈M1部またはM2近位部の急性閉塞による脳梗塞では,発症から4.5時間以内に,rt-PA投与を行わずに機械的血栓回収療法を開始することを考慮してもよいとされている。
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