- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
The New England Journal of Medicine
Editorial:
Gulati R. Reducing prostate cancer overdiagnosis. N Engl J Med 2022;387:2187-8.
Article:
Hugosson J, Månsson M, Wallström J, et al. Prostate cancer screening with PSA and MRI followed by targeted biopsy only. N Engl J Med 2022;387:2126-37.
■前立腺がんは増加している
前立腺がんの罹患者数は増加している。1993年には1万例を超える程度であったが,国立がん研究センター「がん情報サービス(ganjoho.jp)」のがん種別統計情報によれば,前立腺がんの2019年の診断数は94748例,2020年の死亡数は12759人となっており,今後もさらに増加すると予想されている。しかし,5年生存率は高く,ステージⅠ〜Ⅲではほぼ100%,ステージⅣでは66%程度となっている。こうした前立腺がん罹患者数の増加には,日本人男性の高齢化や食生活の欧米化などのリスク増加に加え,前立腺特異抗原prostate specific antigen(PSA)検査の普及による発見率の増加が関係していると考えられる。
The European Randomized Study of Screening for Prostate Cancer(ERPSC)とGÖTEBORG-1試験では,PSAスクリーニングに続いて経尿道的超音波ガイド下に系統的前立腺生検を行うことで,前立腺がんの死亡率が低下することを示した。米国のProstate Lung Colorectal and Ovarian(PLCO)試験と,英国のCluster Randomized Trial of PSA Testing for Prostate Cancer(CAP)では,前立腺がんに対するPSAスクリーニングの特異度は低く,診断過剰となっている可能性が示唆された。
Copyright © 2023, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.