徹底分析シリーズ —なるほどナットク!—ICUにおける人工呼吸—後編
巻頭言
内藤 祐介
1
,
竹内 宗之
2
1奈良県立医科大学 麻酔科学教室
2国立循環器病研究センター 集中治療科
pp.251
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202857
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- 文献概要
本徹底分析シリーズは,麻酔は得意だが集中治療には馴染みが薄いという麻酔科医に向けて,ICUにおける人工呼吸の基礎について解説するものである。前編ではICUにおける人工呼吸療法の基礎的な理論を取り上げた。ひと口に人工呼吸といっても,自発呼吸がないことの多い麻酔中のそれとは異なる点が多くあることをご理解いただけたと思う。
それを受けて後編は,こうした理論を日々の臨床でいかに適用するかについてである。前編と後編の論考はおおむねセットになっている。例えば「経肺圧モニタリング」では,実際の測定方法やピットフォールなどについて解説しているが,その背景となる理論は前編の「過剰な人工呼吸と肺傷害」で述べられている。後編を読み進めていくと,理論的背景を深掘りしたくなるだろう。そのときは前編を参照いただきたい。前編と後編を行き来しながら何度も読み直すことで,理論の重要性と実践の奥深さを認識してもらえるものと信じている。
なお,多くの施設で実践可能な方法を中心に取り上げたが,食道内圧測定やEITなど,やや特殊な内容が含まれることをご容赦いただきたい。ただし,これらの知識がいますぐ自施設で活用できなくても,これからの麻酔科医人生の中で役立つ場面はあるはずである。
本特集が真に人工呼吸管理に長けた麻酔科医への第一歩となれば幸いである。
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