徹底分析シリーズ —なるほどナットク!—ICUにおける人工呼吸—前編
巻頭言
内藤 祐介
1
,
竹内 宗之
2
1奈良県立医科大学 麻酔科学教室
2国立循環器病研究センター 集中治療科
pp.157
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202829
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- 文献概要
全身麻酔は麻酔科医の十八番であり,当然ながら気管挿管と人工呼吸がそれに付随する。そのため,人工呼吸管理に長けていると思われがち(勘違いしがち)であるが,麻酔中の人工呼吸はその大部分が筋弛緩薬を用いた完全強制換気であることを忘れてはならない。ICUにおける人工呼吸では患者は軽度鎮静下に自発呼吸が温存され,その自発呼吸を邪魔しないように人工呼吸は患者の換気を補助することとなる。われわれは,人工呼吸器の制御はできるが,患者は気の赴くままに呼吸をするため,その制御は一苦労である。
本特集では,麻酔は得意だが集中治療には馴染みが薄いという麻酔科医に向けて,ICUにおける人工呼吸の基礎について2号にわたり解説する。前編となる本号では,肺傷害や横隔膜傷害のメカニズムとそれらを予防するためにとるべき戦略について総論的に執筆いただいた。ともすれば難解になりがちな人工呼吸療法であるが,本特集ではなるべく例外的な事象を排除し,大枠での理解を目標として設定している。本特集が真に人工呼吸管理に長けた麻酔科医への第一歩となれば幸いである。
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