徹底分析シリーズ 小児麻酔科医でない人のための新生児麻酔
巻頭言
内藤 祐介
1
,
穴田 夏樹
2
1奈良県立医科大学 麻酔科学教室
2関西医科大学 麻酔科学講座
pp.923
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201768
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- 文献概要
新生児麻酔はニッチな職人技の世界である。要求される手技や知識は繊細かつ奥深く,成人麻酔と異なる点が多いため,一定の修練が重要である。一方で,新生児症例は絶対数が少なく,患児は小児専門施設に集約されがちである。すべての麻酔科医が成人症例と同じように均一な研修を受けることができるわけではなく,おのずと得手・不得手が明確になってしまう分野である。では,新生児麻酔は小児を専門とする麻酔科医にお願いしたらよいのであろうか。予定手術であればそのとおりであるが,手術が必要な新生児はいつ生まれるとも限らない。突然身に降りかかるかもしれない新生児麻酔に対処するために,基礎となる知識を持ち合わせていることはすべての麻酔科医にとって重要だ。
本徹底分析シリーズでは,小児麻酔を専門としない麻酔科医が明日にでも直面する可能性がある疾患を中心に解説した。専門施設に搬送されるであろう,複雑心奇形などの特殊な疾患はあえて除外してある。小児麻酔に精通していない麻酔科医であっても,安全に麻酔が可能となるよう,執筆陣には,成人麻酔の経験や知識を流用してもよい部分と,新生児特有の注意が必要な点を明確にわけて解説してもらった。意外と成人と同じでよいところが多いことをまずはご理解いただき,そのうえで,新生児特有の真に重要な部分を読み取っていただければ幸いである。
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