徹底分析シリーズ 気道管理“気導道”免許皆伝を目指して(後編)
気道評価—気道エコーで何がわかる?
中澤 春政
1
,
徳嶺 譲芳
1
Harumasa NAKAZAWA
1
,
Joho TOKUMINE
1
1杏林大学医学部 麻酔科学教室
pp.516-521
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202541
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2011年に発表されたNAP4(英国での気道確保に関する大規模調査報告)で,気道事故を防ぐためには「気道評価」が重要であることが指摘されている1)。2022年に改訂された米国麻酔科学会(ASA)の困難気道アルゴリズムの中でも気道評価に関しては詳述されており,①喉頭鏡による挿管困難が予測され,かつ,②マスク換気困難(声門上器具による換気困難),③誤嚥のリスク,④低酸素血症に陥りやすい素因,⑤外科的気道確保困難,の一つでも該当すれば意識下挿管を行うことが推奨されている(図1)2)。しかし,これも含めほとんどの困難気道ガイドラインでは,気道評価の指標が羅列してあるのみで明確なカットオフ値が記載されておらず,最終的な気道確保法の決定は麻酔科医の判断にゆだねられているのが現状である。
そこで本稿では,ASAの困難気道アルゴリズムの中で気道エコーがどのような役割を担っているのかを解説し,より実践的な気道評価法について紹介する。
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