徹底分析シリーズ 気道管理“気導道”免許皆伝を目指して(後編)
巻頭言
鈴木 昭広
1
1自治医科大学附属病院 周術期センター
pp.515
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202540
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4月号の“気導道”前編の内容は十分に理解し実践できるようになっているだろうか? 用手気道確保やマスク換気などの基本的な手技を今一度振り返りつつ,われわれの相棒,酸素に関する知識をアップデートするよい機会となったはずである。さて,後編も同様に,「挿管以前」の気道管理に着目する。
専門医試験にも出題され,エコー好きなら知っておきたい気道評価の話題,「導入後はマスク換気できることを確認するまで筋弛緩薬を投与しない」という神話の崩壊について,避けて通れない各種酸素投与方法と使い分け,肥満や睡眠時無呼吸症候群の増加ととともに使用者が増えている非侵襲的陽圧換気療法,COVID-19で挿管回避の1ステップとして脚光を浴びた高流量鼻カヌラ酸素療法,最後は医師国家試験の必出項目で,医学生も研修医も常識として知っておきたい『外傷初期診療ガイドラインJATEC』における気道確保の考え方である。
気導道に終わりはない。日々の麻酔管理においてはいつもの作業,と惰性に流されることなく,一症例一症例に真摯に向き合い,酸素の使い手として,気導道免許皆伝のさらなる高みを目指し精進を続けてほしい。
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