連載
THE Editorials
pp.372-373
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202499
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Anesthesiology
Article:
Shin HJ, Nam SW, Kim H, et al. Postoperative delirium after dexmedetomidine versus propofol sedation in healthy older adults undergoing orthopedic lower limb surgery with spinal anesthesia:a randomized controlled trial. Anesthesiology 2023;138:164-71.
■高齢者の整形外科手術は術後せん妄の高リスク
高齢者では術後せん妄の発生率が高い。整形外科手術後のせん妄発生率は報告により異なり,5〜61%と幅がある。股関節手術では35%,両側膝関節置換術では41%という報告もある。術後せん妄の術前リスク因子には高齢のほか,術前の認知機能低下,抑うつ状態,アルコール依存症などが,術中リスク因子には長時間手術,侵襲の大きな手術,人工心肺使用,深い鎮静などが,術後リスク因子には疼痛や感染,低酸素血症,身体抑制などが含まれる。
ベンゾジアゼピンやモルヒネ,アトロピン,ケタミン投与などもリスク因子となる。また,集中治療室では,深い鎮静は術後せん妄の頻度を上昇させることや,デクスメデトミジン(DEX)は,ミダゾラムやプロポフォールと比較して術後せん妄の頻度を低下させると報告されている。
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