連載
THE Editorials
pp.128-131
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202440
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The New England Journal of Medicine
Editorial:
Hardin CC. Improved protocols for ventilator liberation. N Engl J Med 2022;387:1900-1.
Article:
Thille AW, Gacouin A, Coudroy R, et al. Spontaneous-breathing trials with pressure-support ventilation or a T-piece. N Engl J Med 2022;387:1843-54.
■人工呼吸器からの最適な離脱法
いつ人工呼吸を開始し,いつ離脱すべきかは,集中治療患者において頭を悩ますことの一つである。さまざまな評価法やクライテリアが提唱されているが,離脱の可否を単独で予測できる検査はない。人工呼吸器離脱にかかる時間は,人工呼吸器管理時間全体の約40%をも占めるという報告がある。人工呼吸器管理時間が長くなれば,人工呼吸器関連肺炎などの合併症発生率も高くなる。
人工呼吸器離脱時に一般的に行われているのが,自発呼吸トライアル(SBT)である。Tピースを用いた方法と,人工呼吸器に接続したまま圧支持換気(PSV)を行う方法がある。人工呼吸器からの離脱に成功しても,その後に再挿管となる症例も10〜20%は存在する。高齢者や,左室機能不全,肥満,慢性肺疾患がある患者では再挿管率が高いと言われている。PSV法のほうが人工呼吸器離脱においてTピース法より優れているという報告があるが,決定的なエビデンスはない。
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