徹底分析シリーズ 心電図Basics
巻頭言
坪川 恒久
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座
pp.347
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202220
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- 文献概要
すべての医師の中で,麻酔科医は心電図を眺めている時間が最も長い。だからといって,“心電図のプロ”というほど解釈に自信のある人も少ないであろう。そこで,心電図に関する知識を深めるために,今回の徹底分析シリーズを用意した。
さて,麻酔科医が普段接する心電図は大きく二つに分けることができる。術中モニターとしての心電図と,術前診察時に見る12誘導心電図である。本特集の掲載が4月号ということもあり,まずは「心電図Basics」と銘打ってモニター心電図を取り上げた(12誘導心電図は秋に徹底分析する予定である)。
最初の2項目はモニター心電図の基礎的知識に関するものであるから,この内容はぜひ看護師さんたちとも共有していただきたい。3番目の項目では,心電図の成り立ちについて解説してある。心電図を解釈するうえでは,いきなり波形の特徴にトライするよりも,波の成立機序から学ぶほうが近道である。次の4,5番目の項目では,モニター心電図上でよく遭遇する心筋虚血と心房性不整脈を解説し,そして最後に,注意すべき心電図についてケーススタディ形式で臨場感あふれる解説を加えた。
モニター心電図だけを取り上げた特集はあまり眼にしない。それぞれの施設で,今年だけでなく,毎年4月に入ってくる新人麻酔科医が最初に読むべき論集として,ぜひお勧めいただきたい。
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