症例カンファレンス
人工呼吸管理中に判明した声門直下の気道異物
吉田 圭佑
1
,
田中 詩織
1
,
奥山 由佳
2
,
宮下 徹也
3
,
伊藤 秀和
4
,
芝 順太郎
5
,
鈴木 昭広
5
Yuka OKUYAMA
2
,
Tetsuya MIYASHITA
3
,
Hidekazu ITO
4
,
Juntaro SHIBA
5
,
Akihiro SUZUKI
5
1会津中央病院 麻酔科
2横浜市立大学附属市民総合医療センター 麻酔科
3国際医療福祉大学三田病院 麻酔科(前 横浜市立大学附属市民総合医療センター 麻酔科)
4愛知県医療療育総合センター中央病院 麻酔科
5自治医科大学 麻酔科学・集中治療医学講座
pp.313-328
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201938
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
「あれ? ここに写っているの何?」
集中治療室で人工呼吸管理中の患者の胸部X線写真には,喉頭付近に「何か」がはっきりと写っている。気道異物だろうか? 気管挿管中なのに? 食道内? 気管チューブの中…? 頸部のCTを撮影したところ,気管内かつ気管チューブの外側に,もともと前歯にあった冠橋義歯(ブリッジ)がはまっているようだ。ブリッジはチューブに押され,気管に食い込んでいるようにも見える。しかも場所は声門の直下。さて,どうやって取ったものか。呼吸状態はイマイチだが,抜管するしかないか…,いや,抜管したら気道を傷つけてしまうのでは? 呼吸状態もイマイチなのに気道からの出血なんて起こったら…。
合併症や問題点が複数ある患者における声門直下の気道異物,皆さんの施設ではどのようなアプローチで,どのような麻酔法で取り除くプランを立てるか,誌上で議論してみたい。
Copyright © 2021, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.