特集 緊急受診してくる呼吸器疾患―「息が苦しい」という患者が来院したとき,どのように対応できますか?
呼吸器の救急疾患
気道異物
岡藤 浩平
1
1聖路加国際病院呼吸器内科
キーワード:
気管・気管支異物
,
軟性気管支鏡
,
硬性気管支鏡
Keyword:
気管・気管支異物
,
軟性気管支鏡
,
硬性気管支鏡
pp.49-51
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_49
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Summary
▪気道異物は窒息の原因となり,また放置することで重篤な感染症を併発することがあるため,迅速な診断と治療が求められる.
▪気管・気管支異物を発症年齢でみると,3歳以下が75.1%と大半を占め,一方で高齢者において再び増加する二峰性の分布を示すとされる1).
▪異物の種類は,小児ではピーナッツをはじめとした豆類が最も多く2),成人では義歯などの歯科異物が多い1).
▪治療の基本は異物の摘出である.近年の気管支鏡機器の進歩に伴い,成人例の多くは局所麻酔下に軟性気管支鏡で摘出可能であるが,摘出困難な場合には硬性気管支鏡や開胸術が必要となる.
▪近年では高齢者が多くを占める報告も増えており3,4),今後,高齢化社会が進むにつれて高齢患者の増加が予想される.
© Nankodo Co., Ltd., 2019