徹底分析シリーズ 末梢ルートトラブル—点滴漏れと薬剤性静脈炎
静注するクスリのリスク—点滴,クスリといっても異物の投与
藤田 義人
1
Yoshihito FUJITA
1
1愛知医科大学 麻酔科学講座・周術期集中治療部
pp.40-45
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201874
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何とか静脈路を確保したものの,ルートに接続する際に逆流が乏しく点滴の落ちがいまひとつよくない。取りあえず導入はしようか。しかし,点滴漏れが起こったらどうなるんだ? 皮膚障害とか,静脈炎とか…。
こんな不安が頭をよぎったときに,ここでのお話を思い出すとよろしいかと思います。現在頻用される麻酔薬(フェンタニル,レミフェンタニル,プロポフォール,ロクロニウム,チオペンタール,ジアゼパム,ミダゾラム)を中心にお話します。特に注意すべきは,チオペンタール,ジアゼパムですが,これらを使う麻酔科医はそれほど多くないかもしれません。ほかの薬物は,重篤な合併症は比較的まれといえるかもしれません。が,詳しくみていくと,プロポフォール,ロクロニウム,新しく導入されたレミマゾラムにも特殊な注意点があります。
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