カラーグラビア ダークゾーン
クスリ
林 隆喜
pp.6-7
発行日 1970年11月1日
Published Date 1970/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917647
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戦後,製薬資本は,やけつく炎症を癒しめざす—症状には驚くべき効力を撥揮する新薬の開発にいそしみはしたが,その狂気じみた濫用は,薬の宿命的に背負う毒性をもまた同時に解き放つことになりその毒は骨髄の深部にまで沈澱してゆき静かに堆積を重ねてゆく。
色鮮やかなカプセルからは,異常増殖する癌細胞を,そしてあの忌わしい奇形児を想像することは困難だが,白日夢では決してないのである。
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