事務長の医療よもやま話・7
リスクに付けるクスリ
岩﨑 公平
1
1医療法人桃花会一宮温泉病院
pp.685
発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903598
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●食品の安全性
牛肉のBSE問題から派生して,外国産を国産とした偽装事件が起こったのは記憶に新しい.われわれ消費者は「販売者の表示は正しいだろう」と鵜呑みにして買う.肉を見て外国産か国産かはまず見分けはつかない.表示を信じるしかない.だぶついた国産牛を国が買い上げる制度を悪用し,外国産を国産と偽って申請すると国から補助金が出るから,会社ぐるみで偽装工作をする.BSE問題で牛肉の売り上げが極端に落ち牛肉業者は痛手を被り,なんとか収益を上げようと文字どおり「苦肉」の策を講じた.それも消費者が信頼を寄せていた大手の会社がである.
大豆などの遺伝子組み換え食品は表示が義務づけられているが,もし偽って表示されていても消費者はわからない.罰則規定があっても車の速度違反と同じで,たまたまパトカーに見つからない限りまかり通る,と疑ってかかるのが安全なのかもしれない.
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