連載 看護の裁判例を読みなおす・2
点滴静注ミス事件[その2]
小西 知世
1
,
宮崎 歌代子
2
,
平林 勝政
3
1明治大学大学院法学研究科博士後期課程
2東京医科大学病院
3國學院大學法学部
pp.388-393
発行日 2001年5月10日
Published Date 2001/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901421
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看護婦の行為をめぐる問題点
看護の視点から
適切な注射手技であったのか
末梢静脈の確保は注射針を血管に刺入するため,患者にとっては痛みを伴う苦痛な処置であり,また神経や動脈を損傷する可能性があるため,看護婦は患者の苦痛の軽減を図り,正確な技術で実施することが必要である。
この事例の場合,点滴の部位(針を刺入する血管の選択)として,拇指橈側皮静脈の左手背部手関節拇指側付近という部位を選択したことについては,とくに問題はない。しかし,注射針を刺入する際の角度と深度,そして同じ部位に再び注射針を刺入した点には問題があると思われる。
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