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Anesthesiology
Editorial:
Pandit JJ, Eriksson L. Reversing neuromuscular blockade:Not just the diaphragm, but carotid body function too. Anesthesiology 2019;131:453-5.
Article:
Broens SJL, Boon M, Martini CH, et al. Reversal of partial neuromuscular block and the ventilatory response to hypoxia:a randomized controlled trial in healthy volunteers. Anesthesiology 2019;131:467-76.
■筋弛緩薬の効果残存は術後合併症発生率を増加させる
現在,日本で最もよく用いられている脱分極性筋弛緩薬は中短時間作用型に分類されているロクロニウムである。ロクロニウム1mg/kgを投与した場合の平均作用持続時間は50分程度であるが,ときには2時間以上も作用する場合がある。挿管時だけに使用した場合でも,筋弛緩薬の拮抗は十分に行わなければならない。
四連反応(TOF)比0.7〜0.8では,低酸素に対する頸動脈小体の感受性低下,オトガイ舌筋筋力低下による吸気時の上気道虚脱により,低換気や低酸素血症が起こる危険性がある。1回換気量や肺活量などは保たれるが,1秒率は低下する。オトガイ舌筋筋力低下により嚥下障害が起きたり,上部食道括約筋緊張の低下により誤嚥を起こす危険性もある。無気肺や肺炎の頻度も増加する。TOF比が0.9より大きいとき,十分な筋弛緩作用の回復がみられたと判断される。
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