徹底分析シリーズ 修正型電気けいれん療法と麻酔
m-ECTの術前診察の実際—安全に施行可能か,フローチャートでチェック
奥村 正紀
1,2
,
佐野 仁美
2
Masaki OKUMURA
1,2
,
Hitomi SANO
2
1大石記念病院 精神科
2昭和大学江東豊洲病院 麻酔科
pp.1114-1118
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201514
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修正型電気けいれん療法modified electroconvulsive therapy(m-ECT)は,安全な治療とされている。刺激方法および麻酔管理技術の向上により,近年では以前よりもさらに死亡率は低下し,10万件に1〜2件といわれている1)。術前の診察や検査は,身体疾患の手術と同様に行われていれば問題ない。しかし,精神疾患特有の問題点が存在するため,注意すべき点も多い。具体的には緊張病(カタトニア)や抗精神病薬による嚥下困難などの精神疾患に特有の身体状況,疎通不良や非協力的であるため問診や術前検査が十分に施行できない,精神症状のために現在まで身体疾患が見過ごされている,などが挙げられる。これらの状態を事前に把握しながら,術前評価を行わなければならない。また,精神科単科病院で施行する場合には,さらに注意すべき点が多くなる。設備がないため必要な術前検査が行えないこともあり,その場合には他院に検査を依頼することもある。m-ECT施行場所も,手術室ではなく専用の治療室であることも多く,必要な物品や薬物などを事前に確認しておく必要がある。
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