徹底分析シリーズ 知っておきたい 鍼治療
鍼灸領域の国際標準化の動向—WHOとISO
東郷 俊宏
1
Toshihiro TOGO
1
1順天堂大学
pp.998-1003
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201489
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伝統医学分野の国際標準化は1980年代に世界保健機関(WHO)で始まり,今世紀に入ってからは国際標準化機構(ISO)でも規格開発が始まった。補完代替医療complementary and alternative medicine(CAM)の一翼として漢方,鍼灸が注目され,鍼をはじめとする機器や生薬・製剤の安全性と品質を担保する規格が作られることは,臨床家や患者の利益に直結する。しかし二千年に及ぶ歴史をもつ伝統医学の標準策定は単純ではなく,また同分野での覇権を目指す諸国の動きもあり,標準化をめぐる動きは国際政治と同種の緊張を孕んでいる。
本稿では,伝統医学の中でも鍼灸分野の標準化の流れを概観するとともに,これまでWHO,ISOで作成された主な国際標準(規格)について解説する。
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