連載 国際標準化機構(ISO)規格の動向・第3回
車椅子におけるISOの活用
森田 智之
1
Tomoyuki Morita
1
1神奈川リハビリテーション病院理学療法科
1Department of Physical Therapy, Kanagawa Rehabilitation Hospital
キーワード:
ISO 16840
,
車椅子シーティング
,
姿勢計測
,
接触圧計測
Keyword:
ISO 16840
,
車椅子シーティング
,
姿勢計測
,
接触圧計測
pp.301-306
発行日 2022年3月10日
Published Date 2022/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202456
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国際標準化機構(International Organization for Standardization:ISO)は階層組織になっており,まずは専門委員会(Technical Committee:TC)があり,その下に分科委員会(Sub Committee:SC),さらにその下に作業グループ(Working Group:WG)がある.福祉用具を担当するのはTC173で,車椅子はSC1が担当している.SC1に属しているWGの中で,WG11がシーティング関連(wheelchair seating)を担当している1).臨床の理学療法士の立場で活用できると筆者が考えている車椅子関連のISO規格は,このTC173/SC1/WG11が開発を担当している16840シリーズである.本稿では16840シリーズの中からISO 16840-1:2006とISO/TR 16840-9:2015について解説する.ISO 16840-1:2006は座位姿勢や座位保持装置の計測方法に関する規格で,臨床場面に応用するためのツールや臨床応用ガイドが作成されている.また,ISO/TR 16840-9:2015はinterface pressure mapping(本稿では「接触圧計測」と訳す)について記載されている.接触圧計測は褥瘡予防などの対応で臨床場面でも多く使用されているため,本稿で紹介する内容が臨床でご活躍されている皆様の一助となることを期待する.
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