臨床検査に必要な統計処理法・23
国際標準化機構ISOによる標準化への統計学—標準物質の認証に関するISOガイド35を中心として
細萱 茂実
1
1山梨医科大学医学附属病院検査部
pp.1391-1396
発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906054
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はじめに
臨床検査の各領域で,標準化のための活動が精力的に進められている.その目的は,良質な検査データを臨床医や患者に提供することである.特に最近は国際的規模での協調が望まれており,共通の診断基準を活用するための標準化など,臨床的観点からの要求が背景に存在する.一方,工学・化学・生物学・医学など,さまざまな分野における国際的標準化は,国際標準化機構(International Organization for Standardization;ISO)を中心に推進されている.ISOは,「物資およびサービスの国際交換を容易にし,知的,科学的,技術的および経済的活動分野の協力を助長するために,世界的な標準化およびその関連活動の発展開発を図ること」を目的とし,1947年に発足した非政府間国際機構(nongovermentalorganization;NGO)である.臨床検査の領域においても,専門委員会ISO/TC212(Clinical laboratory testing and in vitro diagnostic test systems)が組織され,種々の重要なテーマに関する国際規格や指針の作成が進められている1).これら標準化に際しては,標準物質が重要な位置を占め,多種多様な測定上の役割に用いられる.
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