徹底分析シリーズ 補助循環
IABPの理解—最も使用への敷居が低く,最もエビデンスの乏しい補助循環
前川 真基
1
Masaki MAEKAWA
1
1国立循環器病研究センター 麻酔科
pp.872-876
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201466
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IABPとは,intraaortic balloon pumpの略であり,日本語では大動脈内バルーンパンピングと称される。大動脈の主要分枝をバルーンで閉塞させないように下行大動脈に留置して使用される。本徹底分析で取り扱うデバイスの中では,最も低侵襲で合併症の少ない補助循環である一方で,残念ながら最も有効性が不明確な補助循環ともいえる。IABPによる補助は,バルーンが拡張することによる機序と,収縮することによる機序に集約され,この2ポイントへの理解が,そのままIABPの適応疾患や使用方法の理解へとつながる。
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