発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004219873
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1996年1月~2001年12月の間に行った冠状動脈バイパス術(CABG)は277例で,そのうち46例が大動脈内バルーンパンピング(IABP)使用例であった.46例を3群(A,B,C群)に分け,Parsonnet score,術前・術中・術後因子について比較検討した.A群(n=14)は,術前IABPを挿入したhigh risk待機手術例とした.B群(n=26)は術前IABPを挿入した緊急手術例,C群(n=6)は術中・術後にIABP挿入を要した症例とした.C群のIABP挿入を要した原因は術中低心拍出量症候群(LOS)3例,術後LOS1例,周術期急性心筋梗塞(AMI)2例であった.術前因子の検討では,Parsonnet scoreはA群10.4±6.0,B群15.1±11.6,C群7.3±3.9で,Parsonnet scoreのみ3群間に有意差を認めた.術中因子については体外循環時間,大動脈遮断時間に有意差は認めなかったが,手術時間は3群間に有意差を認めた.術後因子の検討では277例全体の病院死は4.2%,各群の病院死はA群7.1%,B群7.7%,C群50%で,3群間に有意差を認めた.High risk例において予防的にIABPを挿入することは病院死の軽減に有効と思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2004