連載 ALSの呼吸管理と在宅医療・3
最も危険な時期
山本 真
1
1大分協和病院
pp.304-310
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100070
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ALSの呼吸管理におけるNPPVの位置
ALS患者の呼吸管理を行なうなかで,一番危険な時期とはいつか? それは,TPPV(気管切開下人工呼吸管理)に移行した在宅医療の時期ではない。呼吸不全が生じてから気管切開(以下,気切)を行なうまでの時期,それがこの医療にとって一番リスクが高く,緊張を強いられる時期である。
その時期を可能な限り安全に,かつQOLを高めつつ管理することが,この医療の1つの目標といっても過言ではない。この時期の取り組みの質によって,患者は苦痛と絶望からそれ以上の生を望まなくなるか,あるいはまだ頑張れるという前向きな心を引き出され,以後の生に希望を持ち続けることができるか,大きな差が生ずる。
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