Japanese
English
特集 不眠症の治療と睡眠薬
睡眠薬開発の歴史
Developmental History of Hypnotics
村崎 光邦
1
Mitsukuni Murasaki
1
1CNS薬理研究所
1Institute of CNS Pharmacology, Sagamihara, Japan
キーワード:
Hypnotics
,
Benzodiazepine
,
Z-drug
,
Ramelteon
,
Suvorexant
Keyword:
Hypnotics
,
Benzodiazepine
,
Z-drug
,
Ramelteon
,
Suvorexant
pp.935-947
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205670
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はじめに
不眠症の歴史は人類の出現とともに始まり,集団生活化およびその規模の拡大と近代化とともに頻度は増加していったと考えられる。
その治療薬の歴史も古く,古代ギリシャの哲学者Aristotleの『Sleeping and Waking』なる書物にヒトの眠りを良くする物に,wine,popy,mandrake(コイナス科のmandragona,聖書に記載あり),rye grace(イネ科ドクムギ属)の4つの名前が挙げられている。さらに,インド大麻やさまざまの生薬などが不眠症に用いられてきており,中世には,hyoscin(ナス科の植物hyoscin ringer,後にscopolamineを含有すること判明)なども用いられた記録がある。このように不眠症の歴史とともに,それを改善するための工夫が凝らされてきている。
本稿では,19世紀以降に睡眠薬と銘うって出現してきた薬物の開発の歴史を紐解いていく。
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