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The New England Journal of Medicine
Editorial:
Loscalzo J. Is Oxygen Therapy Beneficial in Acute Myocardial Infarction? Simple Question, Complicated Mechanism, Simple Answer. N Engl J Med 2017;377:1286-7.
Article:
Hofmann R, James SK, Jernberg T, et al. Oxygen Therapy in Suspected Acute Myocardial Infarction. N Engl J Med 2017;377:1240-9.
■酸素投与をめぐる議論
麻酔科医は酸素が最も重要な薬物であると教育されており,非常事態にはまず100%酸素を投与することがほとんどである。特に虚血,つまり酸素需給バランスの障害がある場合には酸素投与が行われている。しかし,二次救命処置(ACLS)での急性冠症候群の治療における酸素療法の位置づけは,初期には100%酸素を投与するものの,その後は酸素飽和度を94%以上にするということが推奨され,決して酸素飽和度を100%にすることは推奨されていない。1995年に発表されたAustralian Air Versus Oxygen in Myocardial Infarction(AVOID)trialでは,441人のST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者に酸素を投与した場合,酸素投与をしなかった場合に比べ,心筋梗塞サイズが大きくなったことや再梗塞率が上がることが報告されている。2016年のCochraneレポートでも,心筋梗塞患者にルーチンに酸素投与することの有用性に関するエビデンスはないとしている。
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