症例検討 麻酔手技に伴う合併症とその対処
内頸静脈穿刺での動脈誤穿刺—冷静な対処が患者を救う!
徳嶺 譲芳
1
,
金井 理一郎
1
,
鵜澤 康二
1
Joho TOKUMINE
1
,
Riichiro KANAI
1
,
Koji UZAWA
1
1杏林大学医学部 麻酔科学教室
pp.118-121
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200494
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症例
77歳の男性。身長160cm,体重62kg。狭心症に対して人工心肺下の冠動脈バイパス術が予定された。内頸静脈から中心静脈カテーテルを留置するため,全身麻酔導入後に超音波ガイド下にガイドワイヤーを挿入した。カテーテルのキットは試験穿刺時にガイドワイヤーを側枝から挿入できるタイプのもので,特に抵抗なくガイドワイヤーは進められた。体表からエコーで穿刺部付近の内頸静脈を短軸像で観察すると,内頸静脈の中に点状の高輝度エコー像が認められたので,ガイドワイヤーが内頸静脈に入ったものと考えた。そこで,ガイドワイヤーを中に通してダイレーターを進めたところ,静脈血にしては明るい色の血液が,勢いよく噴き出してきた。
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