徹底分析シリーズ 続 痛み治療の素朴な疑問に答えます
抗凝固薬服用患者でも,凝固検査に異常がなければ区域麻酔を施行してよいですか
齋藤 繁
1
Shigeru SAITO
1
1群馬大学大学院医学系研究科 麻酔神経科学分野
pp.130-131
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200776
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「抗凝固薬を使用している患者で,血液凝固検査で異常が認められない場合は,区域麻酔・神経ブロックを施行しても問題はないのでしょうか。施行する際の注意点を,ガイドラインの情報も交えて教えてください」という質問に対して,日本麻酔科学会,日本ペインクリニック学会,日本区域麻酔学会の3学会合同での日本版ガイドライン作成を担当している立場から説明いたします。詳細は以下に述べますが,血液検査で判定できない出血性合併症リスクが複数存在すること,そもそも区域麻酔・神経ブロックはかなり侵襲のある医療行為なので「問題はない」と画一的な結論は難しく,「各症例の状況を十分に検討したうえで,また,医療者側の判断のプロセスを患者ならびに家族に開示し,同意状況を診療録に記載したうえで,最終的な実施,非実施を決定する」というのが回答になると考えられます。
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