症例検討 よくあるトラブルを乗り越えよう 2
硬膜外麻酔を予定していたのに抗血小板薬・抗凝固薬を服用していた—神経ブロック派
八反丸 善康
1
,
酒井 規広
2
Yoshiyasu HATTANMARU
1
,
Norihiro SAKAI
2
1東京慈恵会医科大学附属第三病院 麻酔科
2大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター 麻酔科
pp.278-282
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200158
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現在の末梢神経ブロックperipheral nerve block(PNB)は,超音波によるリアルタイムナビゲーションを活用した,神経周辺や筋膜間への局所麻酔薬の投与による効果の安全性・確実性の向上が特徴である。近年は,骨盤手術や下肢手術における深部静脈血栓症deep venous thrombosis(DVT)予防策として,術後早期から低分子ヘパリンやフォンダパリヌクスナトリウムなどを用いた積極的な抗凝固療法が勧められており,脊柱管内での血腫形成による神経障害のリスクを伴う持続硬膜外麻酔は避けられる傾向にある。一方,より表在のPNBであれば,比較的安全に管理できると考えられており,抗凝固療法を行う予定の症例であっても,PNBを行うケースが増えてきている。
では,術前から抗凝固薬・抗血小板薬(以下抗血栓薬)による治療を行っている症例については,どうすればよいのだろうか。
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