徹底分析シリーズ 研修医の素朴な疑問に答えます 薬あれこれ
アスピリンを服用すると血液が凝固しにくくなるメカニズムとは
横溝 岳彦
1
Takehiko YOKOMIZO
1
1順天堂大学医学部 生化学第一講座
pp.739-741
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102187
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●NSAIDsとアスピリン 非ステロイド性抗炎症薬nonsteroidal anti-inflammatory drugs(NSAIDs)は,アラキドン酸からプロスタグランジンH2(PGH2)への変換を司る酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)の活性を抑制する薬物である(図1)。PGH2の下流で産生されるPGE2が炎症性疼痛や発熱を引き起こすため,NSAIDsはPGE2産生低下を介して解熱鎮痛作用を発揮すると考えられている。 最も有名なNSAIDsはアスピリンであり,それ以外にも多数のNSAIDsが販売されている。インドメタシンやジクロフェナクナトリウム(ボルタレンⓇ)に代表されるアリール酢酸,ロキソプロフェン(ロキソニンⓇ)に代表されるプロピオン酸,メフェナム酸(ポンタールⓇ)などが代表的なNSAIDsである。
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