連載 漢方の歩き方 レーダーチャートで読み解く痛みの治療戦略:第26回
臨床応用編 膝の痛み
矢数 芳英
1,2
1東京医科大学病院 麻酔科
2温知堂 矢数医院
pp.978-989
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200687
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矢:前回は,しびれを伴う腰下肢痛でした。今回は,膝の痛みです。
荒:膝が痛いという患者さんは整形外科の外来で多いでしょうが,ペインクリニックでも診ることがあると思います。
福:膝の痛みといえば,「変形性膝関節症に20.防已黄耆湯」が真っ先に思い浮かびますし,実際によく使っています。これは「花粉症に19.小青竜湯」と同じくらい1対1で覚える薬ですよね。
矢:確かに,「変形性膝関節症に20.防已黄耆湯」と病名投与してもよい処方です。そこで今回は,膝の痛みによく使われる20.防已黄耆湯の背景から説明しましょう。
荒:そもそも,20.防已黄耆湯って6つの治療戦略(図1)のうち,どの戦略の処方ですか?
矢:水分の偏在を正す戦略がメインとなります。それでは,実際の症例をみていきましょう。
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