連載 漢方の歩き方 レーダーチャートで読み解く痛みの治療戦略:第21回
臨床応用編 三叉神経痛
矢数 芳英
1,2
1東京医科大学病院 麻酔科
2温知堂 矢数医院
pp.1260-1268
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200460
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矢:前回の臨床応用編では,緊張型頭痛に有用な代表的な漢方薬を紹介しました。
荒:四つの処方がでてきました。47.釣藤散,31.呉茱萸湯,17.五苓散,37.半夏白朮天麻湯,いずれも緊張型頭痛のファーストチョイスとなり得るという話でした。
福:四つの処方はそれぞれ,6つの治療戦略(図1)のどれに有効なのかに特徴があり,病態から選択する方法を勉強しました。
荒:今回は三叉神経痛ですね。
矢:そうです。三叉神経痛にも,この四つのうち,ある一つの処方がよく使われるのですが,どれだかわかりますか?
荒/福:17.五苓散です。
矢:え!なぜわかったのですか?
荒:前回に示された処方のまとめ*1で,17.五苓散の応用に「三叉神経痛」とありましたから。
福:僕は,二日酔いで三叉神経痛が悪化した患者さんの経験があったので,「水分」がポイントだと思ったからです。
矢:なるほど,福井先生が経験した症例は,典型例かもしれません。詳しく教えてください。
福:わかりました。
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