連載 漢方の歩き方 レーダーチャートで読み解く痛みの治療戦略:第23回
臨床応用編 体幹部の痛み
矢数 芳英
1,2
1東京医科大学病院 麻酔科
2温知堂 矢数医院
pp.276-287
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200529
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矢:前回は,首から肩,背中にかけての痛みを取り上げました。
荒:89.治打撲一方の使い方でしたね。
福:1.葛根湯への誤解も解けました。
矢:上から順番なので,今回は体幹部の痛みです。
荒:体幹部の痛みにも,いろいろありそうですね。
福:例えば,開胸術後症候群は,ペインクリニックでもよくみます。
矢:そうですね。ただ,開胸術後症候群は「神経障害性痛」の回で紹介することとして,今回は「開腹術後痛」を取り上げます。
福:開腹術後痛の患者さんは,消化器外科医が術後フォローとして対応していることが多いです。
矢:その通りなのですが,術後痛への対処法を麻酔科医が知っておいてもいいでしょう。
福:確かに麻酔科医が術後痛にもっと積極的に関与できればいいですよね。
矢:そして,術後の痛みに対する考え方も,ペインクリニックで遭遇する患者さんに対する考え方と同じです。
福:つまり,病態チャートを作って,治療の戦略を考えていけばいいのですね(図1)。
荒:痛み治療の幅が広がりそうですね。
矢:それでは,実際の症例をみていきましょう。
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