徹底分析シリーズ TAVI:カテーテル,そしてチームで治す大動脈弁狭窄症
TAVIの適応とその変遷—現場の実際の姿を語ります
桃原 哲也
1
Tetsuya TOBARU
1
1公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院 循環器内科
pp.436-441
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200233
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2002年4月にCribierらによって経カテーテル大動脈弁留置術transcatheter aortic valve implantation(TAVI)が世界で最初にフランスで行われた1)。いわゆる“first in man”である。その際の適応は,もちろん確立されていなかった。
欧米で行われたPARTNER trial2)では,大動脈弁置換術aortic valve replacement(AVR)が不可能なグループと高リスクのグループとに分けて,無作為化試験が行われた(コメント)。その基準は,大動脈弁口面積が0.8cm2以下,もしくは血流速度が4.0m/sec以上,もしくは平均圧較差が40mmHg以上で,外科医と内科医の双方で話し合い,適応を決めることが明記された。これが,後のTAVIにおける適応とそれを支える“ハートチーム”として確立していった。その後,2010年4月から日本で行われた“PREVAIL JAPAN”では,PARTNER Trialの基準が踏襲され,先天性二尖弁や透析中の患者などが,除外基準とされた。一方,2012年に欧州心臓病学会(ESC)から,2014年は米国心臓協会(AHA)から,相次いでTAVIの適応についてのガイドラインが発表になった。
以上のような流れを踏まえて本稿では,実際の現場のTAVIの適応について話題を提供する。
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